シッコ 

2007/09/15 (土)

ボウリング・フォー・コロンバイン」、「華氏911」などで有名なマイケル・ムーア監督の新作ドキュメンタリー。今回は、アメリカの医療制度に鋭くメスを入れちゃうのであります。

アメリカと言えば、日本の有名プロ野球選手がよくアメリカに手術をしに行ったり、良く効く新薬が遅れて日本に入って来たりと、医療技術は、なにかと日本よりも進んでいるイメージであります(実際も進んでいるんだと思いますが・・)。ただし、健康保険制度は、かなり遅れているようであります。

アメリカに国民皆保険制度がないことは何となく知っていましたが、実際こんなにひどいことになってたとは。6人に1人が無保険者。毎年1.8万人が治療を受けられずに死んでいく・・。映画の冒頭、自分で、ランボーばりに自分の足の傷を針と糸で縫っているおじさん。もちろん無保険者。ちょっと笑い顔なのが、余計こわい。

病院が、治療費を払えない患者さんを路上に捨てていくところが監視カメラに録画されてて、そのまま見せてくれます。この場面は言葉を失いました。

ちゃんと民間の保険に入っている人は、安心なのかな・・と思いきや、なんとこの映画、保険に入っている人の話でもありました。民間の保険会社は、いかに保険を支払わずに済むか、そのことだけにかなり力を入れているようであります。もちろん、ちょっとでも病歴がある人は保険には入れません。仮に病歴がなくて保険に入れたとしても、保険を払わない理由を探す専門のプロが登場したりと、恐ろしい話が続きます。

政治家は、保険会社から政治献金を受けているので、国民皆保険制度導入もつぶされてしまいます。国民皆保険制度のあるカナダに行って、カナダ人と偽装結婚してまでも、カナダで医療を受けたい人がいるなんて話も出てきて、へえ~の連続。

良い国のお手本的な制度として、フランスの公的保険制度が紹介されてます。なんと、国がベビーシッターさんを派遣してくれて、子育ての仕方とか、料理作ってくれたりとか、洗濯とかしてくれちゃいます。もちろん、医療費の自己負担はほぼゼロ。あまりに理想的な感じで紹介されるので、ホントかな~、と疑ってしまいます。

シッコ映画のラストの方で、アメリカで無償で医療が受けられるところをムーア監督がアポなし取材。電波少年の松村邦洋みたい。そこは、なんと、キューバ南東にあるアメリカ海軍基地。スピーカーで、「そこで、治療を受けさせてくださ~い」とか言っても絶対中に入れてくれないよな・・。ここで勾留されているテロリストやハイジャック犯などの凶悪犯がその医療を受けているというもの皮肉な話。

ここで語られる話がどれも初めて聞くような話ばかり。ときに、ユーモアも交えて見せてくれます。テーマは深刻ですが、過去のムーア作品と比べても、見せ方がうまい。最後の方で、ムーア監督が患者の人たちを救う場面は感動です。他人事では済まされないかなり見応えのあるドキュメンタリーです。
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