母べえ 

2008/01/27 (日)

シネマハーベストウォークにて鑑賞。午後6時30分からの上映回に観たのですが、お客さんの大半がご年配の方々。人生の先輩方に囲まれながらの鑑賞となりました。

藤沢周平3部作(「たそがれ清兵衛」「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」)ですっかり、山田洋次監督のファンになってしまった自分。恥ずかしながら「寅さん」シリーズはちゃんと観たことがありません。今作品も前作「武士の一分」の坂東三津五郎や檀れいなどが引き続き出演されていて期待度大であります。

1940年(昭和15年)から1941年(昭和16年)にかけての東京が舞台。ドイツ文学者の父べえ(坂東三津五郎)が、思想犯として投獄され、残された母べえ(吉永小百合)と2人の娘(志田未来、佐藤未来)のお話。

映画が始まって、一家団らんの幸せな場面を観られるのはほんのちょっと。父べえが、戦争に反対したとして治安維持法違反で、令状もなしに刑事たちにいきなり逮捕・投獄。この時代の恐ろしさを思い知らされる冒頭です。

主演の吉永小百合が60代とは思えないです。この映画でも30代のお母さん役を演じていて、まったく違和感ありません。山ちゃん(浅野忠信)がひそかに想いをよせてしまうのも大納得。

父べえの元教え子の山ちゃんの三枚目キャラにほっとさせられます。残された母べえと2人の娘たちを父べえに代わって支え続けます。こういうインテリ三枚目系を演じる浅野忠信は新鮮です。この映画の最大の功労者だと思います。山ちゃん最高です。

変わり者の叔父さん(鶴瓶)も山ちゃんほどではありませんが、印象に残る魅力的なキャラでした。本音が言えなくなっていく時代にズバズバ本音を言って、嫌な叔父さんぶりを発揮しますが、別れの場面で意外といいおじさんだったりして…泣かせます。

母べえ父べえの妹役の檀れいも「武士の一分」ほどの出演時間ではありませんが、芯のしっかりした美術学生の役で相変わらずの美しさぶりを見せてくれます。

次第に太平洋戦争に突入していく時代の移り変わりなどもしっかりと描かれておりました。これが実際にあったことなのか…などとしみじみと観ておりました。

山田洋次監督が描く家族とその家族を取り巻くやさしい人たちの映画。この時代の母親の強さはどこから来るんでしょうか。静かではありますが、反戦のメッセージが胸にずっし〜んと伝わってくる映画であります。ラストの方はやはり、目がウルウル状態。山ちゃん…に泣かされました。観終わってぐったり…お勧めです。

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スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 

2008/01/19 (土)

いよいよ今日から公開です。シネマロブレで観てきました。ジョニー・デップ効果なのか、女性のお客さんが多かったです。

ジョニー・デップがティム・バートン監督(「シザーハンズ」、「バットマン」、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」、「エド・ウッド」、「スリーピー・ホロウ」など)とまたまた組んだ新作。これで6度目のコンビとなるそうです。

19世紀のイギリスが舞台。悪徳判事(アラン・リックマン)に無実の罪を着せられ、島流しの刑になった男スウィーニー・トッド(ジョニー・デップ)が脱獄。復習に燃えてロンドンに戻ってくるというお話。

画面が白黒かと思うほど、ダークな雰囲気。ロンドンの街もずっと曇ってます。「スリーピー・ホロウ」に近い絵作りです。

ブロードウェイのミュージカルを映画化したものなので、今作品もなにげにミュージカルになってます。予告編では、ミュージカル映画というのはあまりプッシュされてなかったですね。ジョニー・デップの歌声、普通にうまいです。さすが、何でもできる器用な人です。演技の途中から自然に歌のパートが入っていて、違和感なし。他の役者さんの歌声も印象に残る歌ばかりとなってます。悪徳判事役のアラン・リックマンも歌っちゃうし。

復讐に凝り固まった男が途中から殺人鬼と化していく展開は意外でした。なぜこうなったのか、ちょっと理解に苦しむところはあります。これだけ血が飛び散って、テンポよく人が死ぬと、目が自然と慣れてきますね(慣れないか)。R15指定というのも納得の血の飛び出し具合。ただし、映像の美しさからなのか、血生臭さはそれほどありません。

スウィーニー・トッドヘレナ・ボナム=カーター演じるミセス・ラベットが経営する街で一番まずいパイの店がなぜか急に流行りだすというおそろしい展開。パイの中身が何と…。かなりブラックな内容です。ミセス・ラベットがスウィーニーに片想いしてるというのもミソですね。

ミセス・ラベットとスウィーニー・トッドの目力がすごいですね。2人とも顔は真っ青なのに目だけはぎょろっとしてて、「コープスブライド」みたい。

ティム・バートン監督が描くダークなスプラッター(血みどろ)ホラー+ミュージカル映画。ダークな白黒っぽい映像にべったりと血の鮮明な赤色がやたら印象に残ります。ラストの悲劇的なオチもばっちりと決まり、見ごたえ十分なバートン作品。おすすめ。ただし、(個人的には)感動というところまでいけなかったのは残念です。

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ベオウルフ 呪われし勇者 

2008/01/06 (日)

今年1本目の映画です。たまったポイントで鑑賞。場所は、シネマロブレ。誰もいないかなと思いきや、10人くらいの客入りでした。

原作は、歴史上最古の英雄叙事詩だそうで、イギリス文学の「指輪物語」にも影響を与えたのだそうです(「だそう」が続きますが…)。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「フォレスト・ガンプ/一期一会」などで有名なロバート・ゼメキス監督作品ということだけで、ただの映画じゃなさそう…という期待は自然と高まります。

まず、CGと実写を癒合させた不思議な映像に驚かされます。正確には、「パフォーマンス・キャプチャー」というそうです。演じている役者さんの顔はしっかりと残っていて、誰が演じてるかわかります。CGで自由自在のカメラワークを駆使し、それに役者さんの演技力をプラスして、CGと実写のいいとこ取りといったところでしょうか。

アンジェリーナ・ジョリー、アンソニー・ホプキンス、ジョン・マルコヴィッチといった大御所がずらりと脇を固めてます。さすが、ゼメキス監督、一流どころが集まりますね。主人公の勇者ベオウルフを演じるレイ・ウィンストンだけがあまり知られてない役者さんですね。そのためか、この映画のポスターは怪物の母(邪神)役のアンジェリーナ・ジョリーが前面に押し出されたデザインになってます。彼女が主役と思って観ちゃう人いたりして…。

最初に出てくる怪物(グレンデル)がかなりグロテスク。この怪物が人間を食べちゃったり、暴れまくるのですが、リアルすぎない映像表現なため、残酷なのに残酷に見えない不思議な映像。怪物と(なぜか)全裸で戦うベオウルフの英雄ぶりも見ごたえあり。全裸で戦う英雄というのも新鮮な映像だな…。

ベオウルフ 呪われし勇者アンジェリーナ・ジョリー演じる怪物の母の甘い誘惑に負けてしまったベオウルフ。あれだけ強かった英雄が、美女を前にするとコロッとやられるとは…。男って大昔から変わらない生き物なんですね…。

後半、自分の犯した過ちに自分で落し前をつけるベオウルフ。自分が生み出してしまった怪物(ドラゴン)とのバトルも見ごたえあります。

大人の鑑賞にも堪えうる昔話ファンタジーです。ベオウルフの過ちや悩みもしっかりと描かれてるし…。ファンタジックな話の内容と映像技術がうまくかみ合ってます。実写だとこうはいかないでしょう。しかし、これだけ映像技術が進むと、そのうち役者さんが要らなくなってしまうんじゃないかと心配になってしまいます。

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2007年公開作品 

2008/01/01 (火)

あけましておめでとうございます。
いや〜、1年間、あっという間ですね。歳を重ねるにしたがって、その速度は増す一方です…。昨年も時間と公開場所などの理由で見逃した作品が多かったのは残念です。栃木県(に限らないと思いますが)は、映画館がほとんどシネコンとなってしまい、公開される映画もメジャーな大作系作品が多く、独立系の作品を観づらい環境にあるのは残念です。シネコン以外の昔ながらの映画館も風前の灯であります。長年お世話になっていた宇都宮テアトルも今年1月25日をもって休館となるそうで、これまた残念なお知らせ。前置きが長くなりましたが、2007年に観た作品の中で、特にお気に入りの5作品をあげてみました。
キサラギ
リトル・ミス・サンシャイン
しゃべれども しゃべれども
ブラックブック
ダイ・ハード4.0
「キサラギ」は緻密に計算された密室劇。まだ観てない人はなるべく情報入れずに観ましょう。「リトル…」はダメダメ負け犬一家万歳!映画。胸が熱くなります。「しゃべれども…」は粋な下町映画。「話し方教室」に集まった不器用な人たちが1歩進んで2歩下がる…みたいな映画です。「ブラックブック」は、ポール・バーホーベン監督(「ロボコップ」、「スターシップ・トゥルーパーズ」など)が描くナチス映画。バーホーベン節健在です。「ダイ・ハード4.0」は昨年観たアクション映画では爽快感の高かった作品。マクレーン刑事とオタク少年コンビも新鮮でした。
キサラギしゃべれども しゃべれどもリトル・ミス・サンシャインブラックブックダイ・ハード4.0

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